幸せの選択

お店の中に入ると、フワッとコーヒーの香りが漂っている。


「わー、いい香りですね」


「ありがとうございます。ちょうど今豆を焙煎していたんですよ。さ、どうぞ」



小さなカウンター席の椅子を引いた佐々木さんは、そのままカウンターの中に入る。



勧めてくれた椅子に腰かけると、佐々木さんは目の前でゆっくりとお湯を注ぎ始めた





「いい匂いですね。いつもインスタントしか飲んでないので、やっぱり香りが違いますね」


「そうですね。時間と手間をかけた方がやっぱりいろんな意味でいいんじゃないですか?なんて、練習中の身で偉そうなこと言えないですけど」