幸せの選択

ぼんやり水面を眺めていると、突然カランカランと扉が開く音がした。



「三島さん?」

声の方へ顔を向けると、クライアントである佐々木さんがドアから顔を出していた。




「あ、佐々木さん。先ほどはありがとうございました。

雨が降ってきたので、雨の時の様子を見てみようと思って来ました」







「ああ、そうなんですか。わざわざありがとうございます。
いかがですか?中でコーヒーでも飲んで行きませんか?といっても、まだ練習中なんですけどね」





どうぞと、ドアの外に出て中へ招き入れてくれる佐々木さんの言葉に甘えて、お店の中に入る。