幸せの選択

この期に及んでも、これから課長とご飯に行くということが現実味を帯びない。





「三島、苦手なものとかある?」


「課長です」とは言えず、素直に首を横に振る




「どっか行きたいとこあるか?」

「いえ」

「じゃあ、任せてもらっていいか?」


「……はい。よろしくお願いします」




短い会話の後は、ひたすら沈黙が続いた。
今日ほどエレベーターが遅く感じた日はない