幸せの選択

私に向かって延ばされた手をパシンと、払った河野さんは、口調は穏やかだけど、顔は全く笑ってない


「だから、それもダメ。お前出禁にするよ?

それに、千秋ちゃんは坂巻の秘蔵っ子だから、ちょっとでも他人に触れられただけでも、俺もヤバイの」



「えっ?あの坂巻の……」


「そうだ。だから、お前なんかが気安く触るな」


今までそこに無かった声が突然して、そこにいた全員が「えっ?」と声のする方へ顔を向けた。



「坂巻……」

「課長……」

「きゃー!坂巻くん!」

その場にいた人達のまちまちな歓迎を受けて、


今晩も非の打ち所のない佇まいの課長が、負のオーラを、纏って立っている