幸せの選択

「あっ、ごめん。つい…ね。続きは今晩と言いたいんだけど、残務整理があってさ。近々連絡するよ」


「あ、うん」


「あっ!いけね。俺、戻らなくちゃ。ゴメン千秋、先に行くね」


言い終わらないうちにパッと伝票を持って、晃樹が、去っていった。



「………」

あっという間にポツンと一人取り残された。

目の前にある二つのカップが、さっきまで晃樹がいたことが幻ではないと主張している




さっき、美味しいと夢中で食べたランチの味が思い出せない。