幸せの選択

パニクった私は、咄嗟に晃樹の口を手で塞いだ。



「ちょっと、急過ぎて頭がついていかない。その先を今言われたら私、この後仕事できなくなる。だから、待って……」



突然口を塞がれた晃樹は、一瞬目を見開き驚いた顔をしたけど、私の言葉を聞き、「うんうん」と頷いた。


それを確認してから、やっと私は彼の口から手を離した。



「ごめん。でもーー」


「いいよ。俺は用意してきた気持ちだけど、千秋は突然だからね。気にしてないよ。逆に慣れてないのが分かって益々好きになったし」

「だから、それを言わないでって言ってるのに……」