幸せの選択

「千秋、俺に見とれるのはいいけど、なに食べるか決めてからにしたら?」

「なっ!見とれてなんかいません!」




時々……いや、大概生意気な奴だ


「褒めて損した?」

「なっ!何で分かったの?」

「あれ?当たっちゃった?千秋の顔見てカマかけたんだけど、当たっちゃったかぁ」


「もぅ!そうです。褒めて損しました」


「ハハハ、開き直ったぁ。千秋可愛いね」

「………」



『可愛いね』は無視して、メニューを見入るように顔を隠した。

だって、顔が赤くなっているのがバレるのは、悔しいから。



向こうで、クスクス笑っているのは聞こえなかったことにしよう。