幸せの選択

「仕事も家庭も絵に描いたように順風満帆な課長に理解していただけないとは思いますけど」


こちらをジッとみつめたまま動かない課長を見て、ハッ我にかえる。





――もうだめだ。
来月の満了まで働きたかったのに。先月買ったソファーの引き落としできるかな




自分で蒔いた種とはいえ、「明日から来なくていい」と面と向かって言われたら、さすがに落ち込む。


最後通告を聞く前に自分から去ろうと、鞄を持って出口へ向かう