幸せの選択

「千秋、何食べる?」

外へ出ると、昼休みには少し早い時間のせいか人通りは少ない。



「あのさ、やっぱりお昼前にこんなことって駄目じゃない?」


「だから、じいさんに許可取ってあるって言っただろ?」

「だけど……」


「いいの!それより、食べたいものある?俺、奢るから」


いつも強引な晃樹だけど、今日は一段と強引。

何かあるのかな?



「んーじゃあ、ちょっと気になってたお店があるんだけど、いつも満席で入れなかったところでいい?」


「いいねぇ。じゃあ、そこ行こうよ」


「うん」


晃樹はとても自然に私の手を取り走り始めた。