幸せの選択

パチンとウィンクする晃樹に、心外ながらドキリとしてしまった

そんなことを、悟られないために思いっきり脹れっ面をした。



「ごめん。じいさんから聞いてるよ。すごく頑張ってるってさ」

「えっ?社長が?」

「そう。驚くほどすごいスピードで吸収してるって」

「そんな…ことないよ?まだ何も仕事してないからお給料もらうの申し訳ない」


「そっかな?じいさんって、あんまり褒めないよ。だから、もっと自信持っていいと思うよ。それよりさ、これからランチ行こうよ」





『行こうよ』と行った時にはすでに私の手を引き階段を下りていた


「ち、ちょっと待って。お昼休みまでまだ時間が――」


「気にしない!社長の承諾は貰ってあるから」


「えっ?ちょっと――」



こんな事許されていいのだろうか?
とまどう私をよそに、どんどん階段を下りていく。