幸せの選択

玲衣さんの言葉に、バツが悪そうな顔をして、「うるさい。お前はあっち行ってろ」と手払いしている。


「はいはい。お邪魔しました。ところで要、そろそろ出ないと遅刻じゃないの?」


玲衣さんの指差す先にある置時計を見ると、8時を回っていた



「課長!気づかなくてすみません。私は大丈夫ですから、行ってください」


「ああ?行けるわけないだろ。外回りって言っておくから気にするな」



「えっ?」


あの、仕事に関しては誰よりも厳しい課長が、サボり……?



まだ、フル回転しきれてない頭は、完全に混乱してる。


「ぷっ!要、相当入れ込んじゃってるみたいね。仕事しか頭にないのかと思ってたけど違ったみたいね」