もう日の出が近い白々と明るくなる空を見てこの夜の出来事が長い悪夢だったらいいと目を瞑る



「三島…少し寝た方がいい。俺が側にいるから安心しろ」

車まで抱えられていた私は、そのまま靴も履かず出てきてしまった



「お前の靴くらい後で買ってやる。だからまた戻るとか言うなよ?」


「……はい」



助手席に座り、シートを少し倒されると急激に眠気が襲ってきた。



「課長…急に眠たくなってきちゃいました」


「うん。寝た方がいい」

急に襲ってきた眠気は、私の体中から力を一気に奪い去り、顔を課長へ向けることもできなかった。


視線だけ課長へ向けると、こっちへスーッと手を伸ばす課長が見えた