幸せの選択

「………もう、限界だよ」


自分の心に貯まっていた感情に蓋をし続けた結果、『あとどのくらい我慢できるか』と考えただけでドワーっと溢れ始めた



「えっ?何て?」

私の呟きが聞こえたのか、信じられないといった顔でもう一度聞き返す弘之


既に溢れ出した感情は、自分で思っていた以上に大きくて、もはやコントロールできない。


「だから、もうこんな生活限界だよ。

来年も試験受けない?いつまでダラダラし続けるの?

受からなかったら別の道を考えないと、年だけとって働いた経験無しじゃ、弘之のバカにするサラリーマンにもなれないよ」