幸せの選択

「試験?あー、来年もパスしようかと思ってるんだ。統計的に来年は捻った問題が出る傾向らしいよ。

そんな年にラストチャンスをかけるなんてできないからね」


「…………」

まるで他人事のように軽く言う弘之に、何も言葉が出ない。


『それも、そうね』と言うほど私だってバカじゃない。

『弘之なら大丈夫だから、頑張って』と無責任に言える程他人でもない。



でも……





こんな生活をあと何年我慢しなければならないのだろう