幸せの選択

ねぇ、仕事決まったの?」


さっきまでの弘之は幻だったのかと自分を疑うほど穏やかな顔でこっちを向いている。


「う…うん。まぁね」


「そっか、良かった。俺、バイトでもしなくちゃかと思った」

私の返事を聞くなり、心底安心したと言わんばかりの明るい表情を見せる弘之


「そんな事気にしなくていいよ。来年の試験まで1年切ってるだから」



なんだお金の心配か…という言葉をグッと飲み込んで、明るく振る舞う