幸せの選択

目を瞑ったせいで、視界は真っ暗になると恐怖の記憶が甦る


弘之は温厚な性格だ。だけど、物への執着心は異常とも思えることが多々あった。


弘之と付き合い始めの頃、大学でばったり高校の同級生に会った。


私たちは上京組は、それまで全く交流のなかった故郷の知り合いでも、ここで会うと昔からの仲間に会ったような気になる。


私たちは、高校時代の話で盛り上がり気が付けば何時間かをカフェで過ごした。


その様子を目撃した弘之の怒りは凄く、私はそれまでそんな怒り方をする人を見たことがなかったので、恐怖を覚えた。