幸せの選択

「気分転換に外で勉強だよ。それより、質問してるの俺なんだけど?質問して誤魔化そうなんて、やましいことでもあるの?」


徐々に詰められる弘之との距離に、思わず後ずさる私の腕をしっかりと掴み阻止する弘之の顔は、冷たく私を見下ろしていた。


ツーと背中に悪寒がする



「べ、別に何もないよ。形式的に送別会を開いてくれただけだよ。ほとんどプロジェクトの打ち上げみたいだったもん。

あー疲れた。早くお風呂入りたいなぁ」


一秒でも早くその場を離れたかった。

弘之の冷たい視線に、体だけでなく心のそこまで凍り付いてしまいそうだ。