ショールームの中は、どれもしっかりと作り手の意思を感じるもので、時々金沢さんの説明が上の空になってしまった。 さすが、日本を代表する家具メーカーだった。 次に案内されたオフィスのいたるところに、絶妙に配置されている品の良い家具たち。 その横を通るだけで、ハァーとため息が漏れる。 その姿を何度か目撃されて、笑われた。 「三島さんは、本当に家具がお好きなんですね」 「す、すみません。どれも素敵なので、ついうっとりと眺めてしまいました」