開くドアに、素早く降りる課長

後から降りる私のためにドアにそっと手をあてて立っている


外に出ると、急に寒さにキーンと耳鳴りがした。肩をすぼめて、ゆっくりと瞬きをすり私に



「悪かったなこんな遅くまで付き合わせて」

と、ポンポンと軽く頭を叩いて、再びタクシーに乗り込む課長

「課長……」

「ん?」



何か言わなくちゃと慌てる私に気づいたのか、乗り込んだ車から再び降りてきた。



「変に気を使うなよ。

ウチまで送ってやれないから、早く帰って。何かあったらすぐに連絡しろよ?」

そういって、私の体をクルリと回し、ポンと背中を押した。