そして俺も渡す…


ガサッガサッと紙を開いたりする音が静かな夜に響いてる…


「うわぁ~~!可愛い…」


包みから箱を出してそれを開けた瞬間…咲希の心からの呟きが出てきた。


「咲希…左手…出して?」


「えっ?左、手…いいの?」


「ん、もちろん。」


咲希の左手薬指に…スッと入る指輪。


華奢な指にキラキラと輝くピンクのハートが、咲希によく似合ってる。


「わぁ…素敵…ありがと…」


手を少しかざしながら飽くことなく見つめている、その姿が俺も幸せにした。


その手をつかんでそっと胸に引き寄せる。


雪が肩や頭に落ちてはスッと溶けて消えていく。


咲希の頬に手をそえて、顔を寄せていくと、震える瞼がそっと閉じていき、唇が優しく触れた。


こうして二人の初めてのクリスマスが終わった。


…*…*…*…*…*…*…


光理学園はアクセサリーにあまりうるさくないので、指輪ひとつくらいでは注意されない、が、咲希ははずさないでいてくれるかな。


俺はもらったシャツを明日の部活用バッグにしまい、ポータブルオーディオプレーヤーにケースをつけて、イヤフォンをチェンジ。


そして、レストランで記念だからとポラロイドカメラで撮影してくれたのを壁に貼り付けた。


一気に宝物が増えて嬉しくなる。


17のはじめの日は幸せだらけの日になった。