二次元から始まる恋



「ちょっと待て。意味が分かんない」


初対面だとか言いながら初恋の女の子が

あたし?何をふざけてるんだ。


混乱だらけでもはやどうすれば

いいかわからないあたしを見て

東條は意地悪い笑みを浮かべた。




「うん、だって全部ウソだし。
そんな簡単に信じるなんて
思いもしなかったけど」


黒い笑顔で答える東條に腹が立った。


完全に油断してる東條の顔面に

思い切り平手打ちをお見舞いしてやった。


乾いた音が響く。




「最低。あんたみたいなヤツ大嫌い。
もう2度とあたしの前に顔だすな。消えて」



目が熱くなるけどそれは気にしないでさっさと

公園を出た。やっぱり現実の男なんてみんな

あんなもんだ。いくら同じ二次元好きだからって

あんなやつあたしは絶対信じないし、

早く消えてもらうことしかないもんな。



「あーあバカらしい。帰ろ」



こんな気分じゃ学校に戻る気分にもなれない。

いつも寄ってるアニメ専門のショップに寄り道して

それから家に帰ることにした。


この時、公園に取り残されたままのあいつが

哀しげに微笑んでいたことなど知る由もない。