「ゆきな」 なんだいきなりなれなれしいにもほどがあるんじゃないか? なんて思うあたしは心がせまいのか。 「何」 そう短く返した。そっけないけど。 「ゆきなは好きな人とかいた?」 なにを言うかと思えばいきなりそんなこと。 「いたように見える?」 やっぱりコイツ苦手だ。 「僕はいたよ」 「は?」 やっぱりこいつはわからない。 わかりたくもないけど。 冬の冷たい空気を吸い込んで肺が冷えた。 なんなんだろう。 こいつ苦手すぎる。