二次元から始まる恋



結果として。あたしはこの男と

学校をサボることになってしまったのだった。


途中で寄ったコンビニでおにぎりを買い、


それをほおばりながら満足そうにしている


この男。名前もクラスもしらないわけで


一体なにが目的なのか。


メガネで制服はきっちり着てるし


まるで某アニメのキャラに似ているとでも


言ってもいいかもしれないほどだ。




「名前なんていうの」



未だおにぎりを食べ続ける男にきいてみた。


すると男は気づいていなかったとでもいうような


顔をしてこちらを振り向き、残っていた


わずかな量のおにぎりを一気に食べる。




「そうだったね。僕は東條一。君とは初対面だけど」


「んなこと言われなくてもわかってる。」



東條一・・・か。なんか変な奴だ。



学校であたしと話す人間なんて幼馴染でずっと一緒の


夏輝しかいないのに。


なんでコイツはあたしと話せるんだ。



二次元好きで偏見もちで男嫌いなのに。




「バカみたい」



口をついて出た言葉は。


今の自分の気持ちを誤魔化す為のもの。


他意は無いんだ。