一万回目のプロポーズ

「・・・」

私は旬の言葉を返せない。

「なんで無言なんだよ。」

「・・・私言ったら知紗に言うの?」

「当たり前だ。」

「言わないって約束してよ」

私は拳を握った。

「・・・なんかあんのか?そんなんでお前はずっとイヤな思いするんだろ。」

「それでも・・・それでもいいの!私が瞬の傍にいられるから・・・。」

私は涙を流してた。

「・・・。わかった言わねーよ」

「・・・。修学旅行まで我慢して?」

「・・・」

瞬は黙って頷いた。


そして修学旅行当日。

私は今、待ち合わせ場所に行く途中。

「ふぁ~眠・・。」

でも仕方がない。

だって待ち合わせ場所から私の家は遠い・・・。

「お~い琴音~」

後ろから声がかけられた。

私は振り向いた。

「しゅ・・・瞬!?あんたの家この先のはずじゃ・・・しかも知紗といったんじゃ!?」

「俺は、なんでもかんでもあいつと行くとはありえない。」

そう言って瞬は私のうでお掴むとスタスタ歩いた。

「ちょっ・・・。離してっ」

私は思い切っり瞬の手を振りほどいた。

「・・・。」