朝から微妙な気分のまま、今日の作業に出る。
かじかんだ手に白い息を吹きかけながら、セードルフと2人、芽の出ない畑を耕した。
夢見が悪かったせいで、あのリアルな夢を思い出しては、手が止まってしまう。
そんな亮一郎を、セードルフは心配しながらも、声をかけられなかった。

何か、亮一郎には隠している事がある。

薄々だが、勘付いた。
この教会に運ばれた時の彼の服装は、遣いに出ていて見られなかったが、なんとなく不思議な点が多い。