このドアを開ければ、何が起こっているのかが分かるのだろう。

(開けたくない・・・!!)

手は、勝手にドアノブに伸びていく。

(夢だろ?夢なら、覚めてくれ!!)

ドアは、小さな音を立てて開いた。
中に広がっていた、光景。
とにかく、真っ赤だった。

吐き気がする。
若い女性が、裸で何かの中に入れられようとしている。
見たくないのに、目が離せない。

あの時の夢の、美しい貴婦人。
むせかえるような血の匂いが、亮一郎の鼻を利かなくした。
鉄製の大きな人型の、箱。
中には無数の太い針。

(鉄の処女・・・!?)

そんな大時代的なものが、どうしてここにあるのか。