何かに導かれるように、亮一郎は歩いた。
足が勝手に動く。
夢だから、なのだろう。気にしない事にする。

吸い込まれるように、どこかの部屋の前で止まった。
中からは、音が聞こえる。
(何だ・・・?)
音だけではない。
女性の声がした。

『やめて・・・!お願い、死にたくない!!!!』

(?!)
懇願する、若い女性の声。
血の匂いは、ますます強くなっている。