自分の場所が分かると、安心する。
1610年の、ハンガリーに居るのだ。
肩の力が抜けて、亮一郎はほっと溜め息を吐いた。

「知らないでここまで来るとは、すごいな。」
「・・・ああ、ほんと。無知は罪だよ。」

知らない事が罪ではない。
知ろうとしない事が、罪だ。
今まで必死過ぎて、周りが見えていなかったというのは、言い訳にしかならない。
(もっと早く、知ろうとすれば良かった。)
応えてくれる友人が、出来たと言うのに。