一度休憩して来いと言われ、その親切に甘える。
教会の中へは戻らなかったが、腰を下ろせる場所まで来て座った。
かじかんだ手をこすり合わせて、白い息を吹きかけながら、必死で暖を取ろうとする。
当然エアコンなんて無いし、暖炉の薪だって、無限ではない。
それでも教会に世話になっているので、一般の家庭よりも快適に過ごせているのだろう。

(寒いな・・・)

せめて現代から持ってきたダウンジャケットを着たい。
だが、あの服装は目立ち過ぎるから、それは叶わなかった。

自動販売機にお金を入れ、ボタンを押せば、暖かい缶コーヒーが出てくる。
部屋に入れば、暖房器具が温めてくれる。

そんな時代に、早く帰りたい。
(俺、ここで何すりゃいいんだよ・・・)
ここがどこかさえ、まだきちんと分かっていない。