(エルジェーベト・・・あの鳥かごの、主?)

いや、名前が違う。
亮一郎がこの時代に来る直前に思い出した名前は、“エリザベート”だ。

牧師が教会の勤めに出た後の、一人の部屋。
亮一郎は一日安静を言いつけられ、やることも無く考えにふけっている。

バートリ・エルジェーベト。
チェイテ城の、城主。

この地域の言葉は、マジャール語。
マジャール語の名前は日本読みらしく、旧姓のバートリが先にくる事を、亮一郎は会話の中から知った。