『とにかく、私に分かる事は・・・』
落ち込んでいる少年に、何か話しかけてやらねば。
彼を助けたい気持ちに偽りはない。

『もし本当に君が未来から来たとしたら、何か理由・・・もしくは使命があるはずだ。』
『俺に、使命?』

牧師は頷く。
亮一郎の頭の中には、真っ白い意識の中で聞こえた、祖父の言葉。

『そうだ。神は、きっと何か君に訴えたいことがあって、ここに遣わせたのだろう。』

うつむいた亮一郎を励ますように、牧師は努めて笑顔で語りかける。