もともと、外国語を覚えるのは、得意だ。だから、牧師に教われば、なんとかここの言葉も覚えられるかもしれない。
帰り方がわからない以上、ここで暮らしていくしかないのだ。

『申し訳ないが・・・信じられん話だ・・・』
『はい、俺も・・・まだ信じられません・・・』

信じてもらえなかった事が悲しいのではなく、自分の身に何が起こったのかが分からないのが、悲しい。

牧師も、亮一郎が嘘や冗談を言っているようには見えなかったが、話の内容が信じられるものではなかった。
しかし、見たことも無い彼の格好が、話に少しだけ信憑性を持たせている。
文献でしか見た事は無いが、自分の知っている東洋人の格好とはかけ離れていた。