バスタブの中の、水。


(あ・・・赤い水?)


女性はすくっては、かけ。すくっては、かけ。
何度も何度も、うっとりしながら同じ行動を繰り返している。
どろっとした、水ではなさそうな、液体を・・・嬉しそうに。

(血?!)

ふと、気付いたように、女性が亮一郎の方を向いた。
口元だけの美しい微笑みに、背筋が凍る。