朝。

チェイテ村に住むエメシェは長いスカートをさばきながら、毎朝の日課である礼拝のために、石畳を教会へ向かっていた。
息も白く、むき出しの鼻が痛い。

エメシェは今年18歳になる。

両親は、数年前にはやり病で亡くした。
結婚してもおかしくない歳だし、友人にはすでに子供が居たりもする。
だが、この時代親のいない子供などごまんといるが、まだ年若い弟の事を考えると、話があってもなかなか結婚する気になれずにいた。

そばかすの浮いた顔を、寒さで紅潮させながら、教会までたどり着く。