鳥かごと処女

体がただれる病など、聞いたことがない。
大流行した黒死病であれば、体は黒く変色するはずだ。
ならば、この遺体たちは黒死病ではない、牧師の知らない病か。


…本当に、病なのか。


小さく首を横に振り、考えを振り払おうとする。
今はやめよう。

1人、1人と、祈りを込めて聖水を授ける。
まだ若い女性達だ。
聖水よりも、きちんと花を手向けてやりたいのに、手向けられる花が無い。

半分ほど終わったところで、先ほどの疑いはどんどん増していく。

何故、女性の。
しかも若い女性の遺体しかないのか。

病であるなら、城の侍従にも蔓延しているのではないのか。

しかし、フィツコに「移るから近寄りたくない」という、感染症への恐怖は微塵も感じられない。