牧師に、“友人に自分の事を打ち明けたい”と相談してからと言うもの、亮一郎はずっとそのタイミングをはかってきた。
しかしなかなか言い出せず、今に至る。


ならば、今しかないのではないか。


今日は2人きりだ。


エメシェとレヴェンテはいないが、一番身近にいる彼に、最初に打ち明けよう。

自室へと歩き出したセードルフの背中に、亮一郎は意を決して言葉を投げる。


「セードルフ、話があるんだ。」


いつになく真剣な亮一郎の声に、セードルフは驚いて振り向いた。