「牧師様。」

亮一郎は一心に祈っている牧師の背中に、声をかける。
驚いたように振り返って、立ち上がった牧師は、亮一郎の姿を認めると、いつもの優しい笑顔で出迎えてくれた。

「どうしたんだね。」

どう話せばいいのか分からなかったが、亮一郎は鳥かごを探したい事と、セードルフ達に本当の事を話したいと言う事を、懸命に伝えた。

いつものように牧師は黙って頷いてくれて、話し終えた亮一郎は幾分か肩の力が抜ける。


「君の話は分かった。セードルフも、エメシェもレヴェンテも、きっと信じてくれるだろう。それぐらいに、君は彼らと打ち解けているだろうから。」


自分でそう思うだけでなく、他人から言われると嬉しかった。