絵を断った亮一郎は、教会の掃除をしながら、父の形見だと笑ったレヴェンテを思い出す。

正確には、その形見から、祖父を思い出していた。

亮一郎がこの時代のチェイテに来たのは、祖父の形見を選んでいたのがきっかけだ。
そして、何をすべきかわからないまま、帰り方も分からず、今こうして掃除をしているわけだが。


形見。


という言葉に、ふと思いつく。
あの鳥かごをさがせないだろうか・・・と。