よろずや。


はぁ…
だるい。

なんでこう、学校ってのはだるいんだろう。

まぁ、今日は幸いもう最後の授業。
しかも、理科。

しかも科学室だから、超楽ちん。

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・

そして、授業は私の否応無しに始まってしまう。

ただ一つ、嬉しいことは班員にある。

「なぁ、この部品って、何処つけんの?」

何気なく私に問いかけるそいつは、クラスの委員長ながら、余りそれらしい仕事をした事がない男子。

ただ、そいつは中々気さくで、話しやすい。
ただ、他にも私より頭の良い女子は、班員に2人程いる。
ただそこをあえて私に話しかけたのは、おそらく私がボーイッシュな性格で、話しかけやすかったか、女として思われていないか。

どちらかと言えば私は、後者がいいと願う。

理由はカンタン。


私がそいつの事を好きだからだ。

ただ、相手は私がそんな事を想っているとは微塵も思わないだろう。

それは、良かったと思う反面、少し淋しい。

「なぁ、最近ケーキの旨い喫茶店、見つけたんだ。今度、一緒にいかねぇか?」

ただ…

こうやって、顔を赤らめながらも何気なく私を誘ってくれるから…

多分私は、こいつに恋に落ちた。
認めたくはないけどね。

「しょうがないから、行ってあげる。美味しく無かったら承知しないからねッ!」

そんな憎まれ口を叩きながらも、満面の笑みで返してしまう。

そんな、授業中のささやかな幸せのひととき…。