『苦楽の双子』


苦痛が快楽に
焦燥は狂乱に
煩悶は愉悦に

久しく味わうことを忘れていた
腰から崩れ落ちるような
言い表すことのできない
狂気に満ちたこの全身の感覚
暗黒神の死の舞踏にも似た
恍惚と暴力に満ちたなにか
精神の墜落する瞬間に抜け落ちるG
その加速がたまらない
不意のエアポケット
思わぬところに仕掛けてある
まるで羞恥プレイみたいに
耐えさせられる
声すら漏れそうなのに

快楽はここから生まれ
ここで死ぬ
苦痛は快楽の双子
だが先に生まれ落ちたために
呪われる
呪いが先か誕生が先か
誰も知らない
知らなくていい

呪いを解く魔法を教えて欲しいなら
僕を抱くがいい
暴虐と誘惑に耐えられるなら

孤独を支配したいのなら