後ろ姿を見送って

彼のいた席に座る

微かに残る温もり

ほぅーっと溜め息




ふっと我にかえり

彼に気づかれたら

なんて不安になる

見回すと遠く人影




慌てて別の椅子に

ドキドキして俯く

窺えば知らない人




もう帰ろうとして

薄暗い廊下を歩く

曲がり角で急停止

心臓が壊れそうで

呼吸は止まりそう

目の前に彼がいて




莫迦だな、あたし

ぶつかっちゃえば

彼に触れられたのに