secret name ~番外編~

「ちょっと、何辛気臭い顔してご飯食べてるのよ。」

半分酔ったような目のトレが、目の前にドンと一升瓶を置いて座る。
「まさか駐輪場に、ノーヴェが居なくて落ち込んでるんじゃないわよね?」
「ちゃいますわ。」
確かにそれで少し寂しかったが、落ちている理由は違う。
苦笑しながら返せば、疑うようなトレの目。

「・・・おい。」

クアットロがセッテの隣に座る。
彼も酔っぱらっているようで、内心溜め息を吐きたくなった。
彼らが酔うと、タチが悪い。
もしかしたら今日は部屋に帰れないかもしれない。
「お前、なんか悩んでんのか。」
「そないなこと・・・」
無い。
と、言えなかった。
「悩んでるのね!」
何故だか嬉しそうに、トレが食いつく。
「何を悩んでるの?ノーヴェの事?結婚式の事?!」
さあ、お姉さんに話してみなさいと、トレはニコニコ笑っている。