secret name ~番外編~

その後セッテは、何とか佳乃の家までたどり着いた。
しかし、仕事に集中しなければと思っても、ふとした瞬間ノーヴェが気になってしまう。

電話にも、出ない。

メールも、返ってこない。

どこで仕事をしているかも、知らない。
(あかん・・・集中、集中・・・)
フライパンを持ったまま集中を切らすと、危ない事は分かっているのに。

「ねぇ、セッテ君。」

気付けば佳乃が目の前に立っている。
「へ?な、なんや?」
「なんや?って・・・」
何か言おうとしているのは分かるのだが、佳乃はそれ以上何も言わなかった。