「だから、この2つのかっこの中の内側の数字同士と外側の数字同士で」
「こう?」
「違う」
「こうか!!」
「そう!それから、」
「こうだな!!」
「おーけー!」
…やっと、終わった…。
あのあと、昼休みになってご飯を食べようとお弁当を準備していたら麻緒が筆箱とプリントを持ってこちらにやってきた。
『さーせん梨柘センパイ…勉強教えてください!!』
と言った麻緒はその言葉の直後に床に頭をこすりつける勢いで土下座をした。
そんなこんなで勉強を教えることになったのだが、相手は麻緒。
勉強を教えるにしても一筋縄ではいかない。
ゆっくり、時間をかけて説明しなくては。
今が出来ても後が出来なかったら教えた意味がない。
…でも土下座はやめようよ、私が恥ずかしいよ。
「あ!?もう残り10分か!?
やべぇ!梨柘!飯!!
ご飯食べないと!」
「いや…、10分じゃあちょっとキツいでしょう…
まぁ、一食くらい抜いたって死なないから大丈夫だよ」
「いや、10分あればちょっとは食える!!
梨柘…お前そんなんだからそんな細いんだよ…!
今にも折れそうじゃんか!」
「え…。」
そ、そんな細いのか…?
最近太ったと思うんだけどなぁ…。
