君から、私へ。 私から、君へ。

長い影を見ながらゆっくりと家に向かって歩いていく。


前を歩く麻緒の背中が目に付く。

…大きくなったなぁ。


昔は私の方が見下ろす側だったのに、今じゃ私が見上げる側だ。



もう昔の麻緒ではない寂しさと、大きくなった麻緒の姿に対する感心が入り混じり、なんだか不思議な気分になる。


…今なら、










今なら、言える気がする。


「…麻緒」