自宅の最寄駅に着き、帰宅ラッシュの人の流れに乗りながら改札を出る。
10月末にもなると、19時にはもう真っ暗で、少し肌寒い。
上着持ってこればよかったなぁなんて思って、ふと目に付いたコンビニの“おでん”の文字に
ひきつけられる様にコンビニ入った。
今日の夕飯はおでんにしよう。
カップにいくつかのおでんを入れてレジに並び、バッグから財布を取り出そうと、ごそごそバッグをあさる。
...え?...
...うそ...無い...
ガバっとバッグを開いてもう一度探すけど財布は見当たらず。
店員さんも財布が無いのに気付いたのか、ちょっと困った顔をしてあたしを見つめる。
幸い、私の後ろには誰もならんでいなかったから、もう一度ゆっくりじっくりバッグの中を探した。
落とした...?
いや。それは無い...
さっき仕事終わって、コーヒー買いに行って...
純ちゃんと話して...
あ。
純ちゃんのデスクの上だ...
純ちゃんに確認してもらおうと携帯を取り出すと、純ちゃんから着信とメール。
“和歌、財布忘れてるよぉ”

