私は君に恋をしました






人って・・・っていうか、私ってすごいと思う。



寝る体制だったのにたった10分で着替えもメイクも出来ちゃうんだから。




「あ、会えるよ?でももうこんな時間だし… 」




「15分時間あげるから支度して。15分後に駅で。よ〜〜い…スタート」






・・・で。10分で仕上げて、家を出ようかって玄関のドアを開けた時に・・・





「うぉっ?!なんだいきなりっ!」





「…アツ?どうしたの?麻雀は?」





「途中で後輩呼び出して抜けてきたし!和歌がご立腹なのに最後まで居れないでしょ…って、どこか出かけるのか?」





「…あ、う、うん。コンビニ行こうかなって思って。」




「は?コンビニ行くのにわざわざヒール履いてくんかよ。いつもサンダルじゃん?それにメイクバッチリだし…」




「えっ?あっ!ホントだぁ。やだなぁ、なんでミュール履いてんだろ…履き替えなきゃね〜。寝ぼけてたかな〜!お風呂も入らずにさっきまでウトウトしてたから…」




「なんだそれっ!…で、コンビニ行くんだろ?俺も行くよ。夜道は危ないし」




「あ…うん。でも…いいや。私一人で行ってくる。ほら、すぐそこだし!アツは先にお風呂入ってゆっくりしてて?」




「…でも、危ねえぞ?」




「だ〜いじょうぶだよ。じゃぁ、行ってくる!」




「ん。わかった!じゃぁ、悪いけど、ついでにビール買って来てくんない?」




「うん。わかった…行ってきます」







バタンとドアを閉めて、携帯で時間をチェックしたら、既に20分が過ぎていた。



私は走りにくいサンダルをペタペタいわせながら、駅まで走った。