しばらく奥原くんと海を眺めていた。
「和歌さん、そろそろ帰ろうか…」
「あ、うん。」
電車に乗ってる間も特に話す事もなくて・・・
気がつけば降りる駅で・・・
「今日はありがとう。和歌さん、日焼け大丈夫?」
「う〜ん、多分大丈夫。」
「…今から彼氏?」
「そうなんだけど、まだ連絡ないから仕事してるんじゃないかなぁ。」
「そっか…ねぇ、和歌さん、また会ってくれる?」
「…え?」
「って、結婚する人にそんな事言ったらダメか…気にしないで、今の。」
「……」
「…じゃぁ、ホント今日はありがとう」
奥原くんは軽く笑って歩いていく・・・
私はその背中を見つめて・・・
「お、奥原くんっ!」
ゆっくり振り向いた奥原くんに・・・
「…また…海行こう?また海見に行こうね」
一瞬、奥原くんは驚いた顔をしたけど、すぐににっこり笑った。
「ありがとう、和歌さん。約束。」
私、奥原くんをほっとけない・・・
なぜだかわからないけど・・・
奥原くんをほっとけない。

