「な、何言ってんの?!…そんなんじゃないよ。でも…良かったじゃない。気持ち通じて…可愛い彼女だったね!!」
「…なんでムキになってんの?」
「ムキになってなんかっ!!もういいっ!話はその報告でしょ?!帰るっ!!」
私はそのまま奥原くんに背を向けて帰ろうとした・・・
「待って!!帰らないで…」
ガシっと腕を掴まれて、足が止まる・・・
「離してよっ!」
「離さないし、帰さない」
「意味わかんないんだけどっ… 「あの子は彼女じゃないよ」
・・・へ?彼女じゃない??
「あの子はただのクラスメイト。あの子が彼氏と待ち合わせしてた時にたまたま会っただけ。彼氏が遅刻してるだのなんだの愚痴を聞かされてただけなんだけど…」
「……」
「…それに俺が好きな女は…他の人だから」
「…そ、そうなんだ」
勘違いして、わーわー喚き散らしたのが恥ずかしい・・・。
まるでヤキモチ妬いたみたい・・・だし。
「…だから、帰らないで。」
「…うん。」
私の返事を聞いた奥原くんは掴んでた手をそっと離した。
強い力で掴まれてたのか、ジンジンする。
「じゃ、どこか入ろう。どこでもいいでしょ?」
「う、うん。」
私はゆっくり歩き出す奥原くんについて行った。

