待ち合わせ場所に着くと、既に奥原くんは待っていて・・・
初めてみる私服姿にドキッとした。
私服だと余計高校生には見えない。
「こんにちは…」
控えめに声を掛けた。
「…遅い。」
「えっ?だってまだ11時になってないよ?」
「そうだけど。俺はもう30分は待ってるし。」
メガネの奥の目が意地悪そうに笑う。
いつもはコンタクトなのかな。
「メガネなんだ?初めて見た」
「あぁ。普段コンタクトだから。和歌さんもたまにメガネしてるよね?」
「…あ、うん。朝寝坊した時とかは…ってなんで知ってんの?!」
「ハハッ。カマかけただけだよ。それより、どこか入らない?俺腹減ったんだけど…」
「そ、そうだね。じゃあ、その辺に…あ。高校生って普段どこで食べるの?」
「わかんね。俺あんまりウロウロしないからなぁ」
「で、でもっ!この間彼女と…」
自分で話を振っといて、しまったって思ってしまった。
「彼女…?あぁ…あの時は別に…」
やっぱり。あの子が彼女なんだ・・・
「よ、良かったじゃない!気持ち伝わって!彼女可愛いね〜!いいなぁ、高校生って。羨ましいよっ!ってかいいの?彼女出来たのに私と居たりして。ヤキモチ妬かれちゃうかも…あ。気にすることないか!奥原くんからしたら私はおばさんだしね!それに…
「…気になるの?俺の事」
「…え?」
「ねぇ、俺の事気になるの?」

